子どもの言いなりになってしまう私

子どもをどうやって叱ったらいいかわからなくて、
いつも子どもの言いなりになってしまう。。。
それっていいことなのかな?ダメなのかな?
アドラー心理学から考えていきます。

子どもを叱れない私。。。

どうやって叱ればいいかわからなくて

「子どもがよくないことをしたときに、
叱らなきゃと思うんですけど、
よく子育てサイトとかで叱っちゃいけないとか書いてあるし、
どうやって叱ればいいのかわからなくて、
結局いつも何も言えなくなっちゃって、
子どもの言いなりになってしまうんです」

とても優しいお母さんですね。
叱ってしまったら子どもによくない影響があるかもしれないから、
と考えて叱るのを躊躇してしまうんですよね。
実際、叱るのってとても難しいことだと思います。
ガミガミ言ったらよくない感じがするし、
優しい感じで言っても効かないような気がするし、
うーん、どうやって伝えればいいのでしょう。

子どもに嫌われるのが怖いですか?

おそらく叱れないお母さんの中には、
「子どもに嫌われるのが怖い」と思っている方もいるのではないかと思います。

「叱ってしまったらこの子との関係がこじれてしまうかも」
「ママ嫌いなんて言われたらショックすぎる」
「この子に嫌われたら生きていけない。。。」

そんな思いから叱るのを躊躇している方もきっといると思います。
またはご自身が小さいころに親に叱られてばかりいて、
親のことを好きと思えなくなってしまった経験があって、
「この子にはそんな思いをさせたくない。。。」というお気持ちがあるかもしれません。

親と子どもの間には、無条件の強いきずながある。。。なんてことは幻で、
うまく関わらないとすぐに壊れてしまうようなもろいものだ、ということを、
どちらのお母さんも理解していて、
だからこそ叱るという行為がすごく怖いものに見えてしまっているのではないかなと思います。

新米保育士時代に神業を見たこと

寝ないあの子

私は現在英語教室運営を本業としていますが、以前は保育士として働いていました。
とはいうものの、保育士の資格を取ったのは、保育の短大とかに行くのではなくて、ユーキャンで取りました。

そんなペーパー保育士だった私ですが、娘が1歳になるときに、よし保育士として働こうって思ったんです。
それである保育園に雇ってもらえることになりました。

そこで2歳の担当になりました。そこは保育士によって担当する子が決まっているスタイルの保育園でした。
それで、私が担当する子が5人くらいいたのですが、
その中のある子が、お昼寝の時間になってもちっとも寝てくれないんです。
お布団に入っても起き上がってごそごそしたり、
布団から出ようとしたりして。
こちらをチラチラと見ながら、何も言わずに反応を試しているような行動をしていました。

その保育園はお昼寝の時にはトントンしない方針だったので、
私はその子の近くに机を持っていって、
黙って連絡帳を書いたり作業をしたり、ということをしていました。

そのころにはすでに保育士としての自信を喪失していた私は、
他の先生の目が気になってしまって、
私はその子になんて声をかけていいか全くわからず、
その子が起きだそうと、ふざけていようと、何も言えずに見ているだけでした。

先輩の神業

そうこうしていても全然寝てくれなくて、
同じ部屋の先生はまったく助けてくれないし、
私は「もういいや、早くお昼寝の時間が過ぎてほしいなあ」と思っていました。

そこへふらりと入ってきたベテランの先生が、
その子のところへ行き、私の目の前で、決然と、
「さあ、〇〇ちゃん、寝ようか」
といってふわりとふとんをかけました。
そしてしばらくその場に座っていました。
するとその子はあっという間に動かなくなり、寝ていきました。

まさかの秒殺。。。
それまで私が無駄にした20分間を秒で解決してくれました。
この人は神に違いないと思いましたね。。。

どうして私のかかわりでは寝なくて、先輩のかかわりだと寝るのか。
そのときには正直言って全然わかりませんでした。
その後もその子はなかなか寝ませんでしたけど、
布団から出ていこうとはしなくなったように記憶しています。

アドラー的に考える

優しくきっぱりと

上の例は叱るシチュエーションではなかったですが、
私がその子に「してほしいこと」をきちんと伝えられていなかった、
ということは言えると思います。
「あなたはお昼寝をするべきです」ということは、
その子に伝えなくてもいいことだったのかと言えば、
そうではないですよね。
2歳の子にとっては、きちんとお昼寝をすることで、
午後からの時間を思いっきり活動することができるため、
大切な休息の時間なのです。寝なくていいわけではありません。

「叱ること」を恐れて大切なことを伝えないのは、
子どもにとっては必要なルールを学ぶ機会を失い、
結局子どもが不利益を被ることになってしまいます。
だから、「黙っている」「言いなりになる」ことが必ずしもいいことではありません。

アドラー心理学の子育ての目標から考えてみます。
アドラー心理学の子育ての目標には心理面の目標と、行動面の目標があります。

心理面の目標は
・私には能力がある
・人々は私の仲間だ

と子どもが思えるように援助することです。

そしてその気持ちになったら出てきてほしい、行動面の目標は
・自立する
・社会と調和して暮らせる

なんですね。

このように考えると、
きちんと大切なルールを伝えないことは、
「社会と調和して暮らせる」の目標の達成に近づかないことになります。
だから、きちんと伝えることが大切になります。

アドラー心理学では、叱ることはおススメしません。
叱る行為は「上から下」に対して行われることであり、
横の関係を重視するアドラー心理学的には「叱る」はダメです。

「叱る」のではなく、相手にどうしてほしいかを伝えます。
子どもに何かを伝えたいとき、してほしいことがあるときは、

優しくきっぱりと、ていねいな言葉づかいで伝えましょう。

神業を見せてくれた先生も、優しいんだけれど有無を言わせない、
つまり優しくきっぱりと伝えていました。
この場合、何も説明はいりません。「さあ、寝ますよ」で十分です。

ましてや、「寝なさい!!」なんて叱る必要は全然なく、
かえって逆効果になるだけです。

だいたいのシチュエーションにおいては、
まずは、「なぜそれをしないといけないのか」を簡潔に説明しましょう。
それでも納得してもらえない時は、「選択肢を示す」が有効です。
ただし、選べない選択肢もあります。

片づけをしてほしいのであれば、
「電車を片づける?それとも線路を片づける?」
「ひとりで片づける?それともママと片づける?」
「今片づける?それともおやつ食べた後にする?」
どれを選んでくれても結局は片づけるわけですが、
自分で選んだ部分があれば、子どもは結構納得してやってくれます。

このとき、「自分で片づけをしない」は選択肢にないわけです。
「片づけしたくない」または「ママが片づけて」と子どもが言ったら、
「ごめんだけど、それは選べないわ」ときっぱり言いましょう。
「自分のおもちゃは自分で片づけられるようになってほしいから」など理由をきちんと言えばいいんです。

そして少しでも片づけてくれたら
「ありがとう。きれいになったね」とお礼を言いましょう。

してほしいことを伝えたいときに、
選択肢を示しながら、ていねいにお願いをすればいいんだと思えば、
子どもに嫌われたら、なんて怖がる必要はないし、
怒っちゃったらいけない、と委縮する必要もないですね。

いつからでも変われる!

「うまく言えるかな。。。言い方が難しいです」

大丈夫です。一歩一歩、小さなことの積み重ねで親子の絆は深まっていきます。
言い方はもちろんすごく大事なんですが、
それよりもお母さんの「気持ち、心持ち」が大事だと思うんです。

「これを放置して何も言わなかったら、この子に不利なことになるかな?
そうだったらやっぱり伝えた方がいいから伝えよう。」

そう思ったら、子どもにわかりやすい言葉で、
なぜそれをするといいのか(いけないのか)、
選べる選択肢はどれか、
選べない選択肢はどれか。
にこやかに、でもきっぱりと伝えてみましょう。
怒るのでもなく、顔色をうかがうのでもなく、淡々と。

お子さんがどんなに小さくても、納得してくれれば動いてくれます。
自分で選んだ選択肢だったらやろうとします。
それをしてくれたらお礼を言って、
お互いいい気持ちで問題を解決できるといいですよね。

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あんまり周りの友達や、幼稚園の先生にも言えないなと思うようなことでも、
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