英検1級講師が大学入学共通テスト英語を受けてみた感想

2021年1月、新しい大学入学共通テストが行われましたね。
どのように変わったのか気になり、新聞に載っていた英語の問題を解いてみました。
解いてみたい方のためにリンクを貼っておきます。

個人的な感想になりますが、思ったことなどを書いてみたいと思います。

大学入学共通テスト 英語リーディング 分析と対策

リーディング問題の傾向、分析

全47問 ほぼ全部長文問題!
問題・図・設問・選択肢すべて含め5,340語で、
昨年のセンター試験よりも1,000語弱も増加(河合塾分析より)
問題をパッと見た私の印象、「長文ばっかやん!」

去年までのセンターは、まず発音問題があったり、空所穴埋めがあったりしたので、
「そんなにつまってない」印象でしたが、
今回は「文ばっかり」で、「つめつめ」な印象でした。
英語が苦手な子には「地獄」のようなテストだったのではないでしょうか。

英検のテストと比較しますと、
英検の問題はだいたい「一つのパラグラフを読んで一つの設問を解く」形式ですが、
大学入試共通テストは、そんなに単純じゃありませんでした。

全体を通して読み、さらにそれに対応する図やグラフがあり、
すべての情報を踏まえての設問になっていました。

すごく難しい単語が入っているわけはないですが、
英文の量が多いことでかなりのプレッシャーを感じます。

なのでまずは、

「全体を通し読みしてざっと内容をつかむ速読力」が

そうとう必要だなと感じました。

それから、
「この場合あなたならどうする?」なんていう
おそらくこれは記述で出したかったんだろうというような問題もありました。

前から文科省が「考える力を問う」、と言っていましたが、
確かに知識だけではなく、文脈を読み、背景を考え、気持ちを考える、

すなわち「読解力」が問われるというのは本当だなと思いました。

対策:英語のリーディングを支える力をつけよう

このようなしんどい長文たちを読みこなしていく力をつけるのに
必要なことはなんでしょうか。

実は

「英語力」を支える「日本語力」が身についていないと
英語長文は解けないです。

「論点を整理する」
「書いてあることを正確に理解する」
「事実なのか意見なのかを読み取る」
こうした力を十分持っていないときついです。

学生のみなさん、
国語力を磨きましょう。

本を読み、読むだけじゃなく自分でまとめてみましょう。
他の人にわかりやすいように説明してみたり、
資料を作ったりしてみましょう。

英語力と日本語力は別の物ではないです。
どちらも大切なものです。つながっています。
こうした力を小さい時から身につけていけるよう、
学校も英語教室も変わっていかなくちゃいけないですね。

ちなみに私は3点の問題を2つ間違えて94点でした。。。

大学入試共通テスト 英語リスニング 分析と対策

リスニング問題の傾向と分析

配点が50点から100点にアップし、
昨年のセンター試験(試験時間30分)では読み上げ総語数が1,142語であったのに対し、
今回の共通テスト(試験時間30分)では1,528語と分量が増加した。
また、第3問以降の読み上げ回数が1回になったが、
センター試験と比較してほぼ同じ難易度であった。(河合塾分析より)
↑そうかな~~私は難しくなったと思います!!

新しいテストでも、
最初の第1問と第2問は、2回読んでくれるし問題も難しくなかったです。
第3問からは1回しか読んでくれないですが、まあ第3問はまだいけます。

しかし第4問からはかなり戸惑う問題ばかりでした。
英文を聞きながらグラフや表を読み解いたり、
講義内容をまとめるメモを、音声を聞きながら作成する問題があったり、
4人の意見を聞いて内容をよく表す図はどれか?という問題など、

これはぜひ2回読んでもらいたいんですけど!
と思うところがいっぱいでした。

これはおそらく多くの受験生は途中からついていけなくなって、
きっと最後の方は適当にマークしちゃうだろうなあと思いました。

私は結構リスニングは自信があったのですが、
2点問題、3点問題、4点問題を一つずつ間違えて91点でした。。。

30分の試験時間にこんなに難しい問題を詰め込むなんて、
さすが入試問題を作る人はすごいです。英検ともまだ全然傾向の違う問題でした。

子のリスニングテストは、よく英語を聞き取れて、かつ

「聞きながら情報を整理していける力」

がないときついです。

これは裏返して言えば、
大学に入ったら英語での講義を聞きながらメモを取れないといかんのだぞ、
ということを学生に言いたいのかもしれません。

対策:リスニング力をつけるためには時間がかかります

リスニングの力は
一朝一夕には絶対つきません!

英語をどれだけ聞いてきたか、
その蓄積の時間がモノを言います。
正直言って高校生になってからでは遅いです。

小さいうちに英語耳を身につける必要が大いにアリです。

「発音できない音は聞き取れない」

これはよく聞くことかとは思いますが、本当だと思います。
だからこそ、聞こえたままに口に出すことってとても大切です。
そしてそれが一番得意なのが、小さい子なんですよね。

中学校の英語の授業を想像してみてください。

ALTの先生、または電子黒板が
「Did you have a nice time last night?」と言います。

もう中学生になると英語っぽく言うのが恥ずかしいですし、
文字を見て言おうとしますから、
「ディドゥユーハブアナイスタイムラストナイト?」なんて言ってしまうかも。
しかもイントネーションもアクセントもない、平坦な調子で読んでしまうでしょう。

そうしたことばかり繰り返していたら
「ディッヂューハーバナイスターイァースナイ?」的な英語を聞いた時に
「今なんつった??」となってしまうのも無理はないように思います。

素直に聞いたまま言える年齢のうちに、
口からいっぱい出しておくことで、
英語を聞き取る力は気づかないうちについていきます。

個人の感想でしたが、
私がほかの教科よりも英語は小さいうちからでもやりやすいと思うのは、
楽しくやれるし、動画や歌を通して、遊んでいる感じでやれるところかなと思っています。
英語が勉強になる前に、いっぱい遊べたら、英語大好きな子に育ってくれるはず。
そうなってくれたら、自分で英語を勉強する子に育ってくれる!
それを目標に、オンラインレッスンも取り組んでいます!

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