2021年、これからの英語教育

2020年に引き続き、2021年も学校の英語が大きく変わる年です。
どのような変化が起こるのか、
どのような対処をすればいいのか、
今なにができるのか。考えていきましょう。
こちらの記事は下記のYahooニュースを参考に作成しています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/920b79cb115f0a60ad1491d3381f047a0d785cb3?fbclid=IwAR0Fd0ZXYvKgWkuka-lkuH2ABdHBjsjRCN6NQ03_WfODEo8dqK7igrg1y0o

英語は国語や算数と同じく教科になる

英語が教科になるとどうなる?

小3,4から英語の授業が始まり、小5,6では「教科」つまり国語や算数と同じ扱いとなり、成績がつくようになります。

さらに2021年度から中学校の学習指導要領が変わり、教科書が新しくなります。
これは英語だけではなく、他の教科の教科書も変わります。

英語が国語や算数と同じ「教科」の扱いということは、小学校である程度学んでいることを前提に進んでいく、ということです。
中学校に入ってまた1+1から算数を始めることがないように、中学校に入って英語をまったくゼロからやり直すことはない、ということです。
つまり、小学校で行う英語の授業を、しっかりと理解していないと、中学校でやり直すことは難しい、ということになります。

今までの小学校での英語の授業は、会話が中心で、ゲーム性も高く、わりと楽しくゆっくりと取り組んできたと思いますが、今後は中学校での勉強を見据えて、「がっつり系」にシフトしていくことは十分考えられます。

学校英語の変化

習う英単語数が約2倍に!

これまでの学習指導要領で目標とする英単語数は、中学校で1200語、高校で1800語、高校卒業時で計3000語でした。
新しい学習指導要領では、小学校で600語~700語、中学校で1600語~1800語、高校で1800語~2500語、高校卒業時で計4000語~5000語と、最大で2000語も増えることになります。

これだけを見ると、「え~こんなにたくさん書けなきゃいけないの??」と思ってしまいますが、必ずしもそうではないです。
学校では「書けなきゃいけない単語」と「聞いたり読んだりして意味が分かればいい単語」をはっきり区別しているようです。

だから「単語をとにかく書けるようにノートに30回ずつ書かせて覚えさせなきゃ」、というようなイメージを持たないようにしてもらいたいと思います

文法事項が前倒しされ、中学3年生で高校英語の一部を

従来高校で扱っていた文法事項のいくつかが前倒しされ、中学に下りてきます。
ややこしい仮定法だとか仮定法過去完了だとか、そういった頭の痛い言葉が思い出されるかと思います。

「ひゃ~もうそんなん言われても全くイメージが湧かん。。。終わった…。」
などと思ってしまうかもしれません。

しかし、案外こういう文法を使った表現は、会話の中でよく使うものだったりします。
なので、「難しい文法」と思わずに、「言いたいことを適切に表現してくれる、便利な言い方」という考え方で会話に取り入れていくのがいいのではないでしょうか。

4技能、5領域を全部授業でやる

4技能とは、『聞く、読む、話す、書く』の4つの技能のことを言います。
では5領域とはなんでしょうか?これは「話す」の技能を「やり取り」と「発表」に分けているのです。
つまりわかりやすく言えば、5領域とは、『聞く、会話する、発表する、読む、書く、の5つのことを英語でできる力』ということになります。

これらをすべて授業の中で行い、それをもって評価をしよう(つまり成績をつけよう)というわけですから、
学校はとっても大変ですね。。。
「会話する力」を計測するのは非常に難しいし、時間もかかることですから、
おそらく「発表」の部分を問う活動がメインになってくるのかなあと想像しております。

究極の目標は「コミュニケーション能力を養う」

これらの改定は、なにも大学入試共通テストのためにあるのではないんです。
文科省の目標は「コミュニケーション能力を養う」なのです。ここは勘違いしないでください。
国が言いたいのは、「テストを難しくしたからみんなもっと単語を勉強しなさい」ではなく、
「英語でコミュニケーションできる人材を育てる教育をしていきたい」ということなんです。

どうしても塾の宣伝では「ヤバいですよ~試験難しくなりましたよ~」などと煽りがちで、
なんだかそれに踊らされるのか、いろいろ圧力を感じるのか、
もしかしたら学校でも「小学校のうちにしっかりやらせなきゃ」などと思っているかもしれないですね。

文科省とか政府とかはとかく批判されがちなんですが、私はこの目標ってとてもいいと思っています。
英語のテストはできるけど、全然しゃべれない人材ばかり輩出しすぎた過去を反省し、
国際競争に勝っていくためには、「英語でコミュニケーションできる人」を作っていかなくちゃダメですよね。

親も学校も、みんな本当に大事なことをよく考えて、子どもが未来を生きやすくしていけるようにしたいですね。

こうした変化にどう対応すればいいのでしょう

これらを踏まえて、私たちは子どもたちに何をしてあげたらいいのでしょうか?
逆に、何をしない方がいいのでしょうか?

あせって単語を書かせようとしない

最終的に単語数が増えるんだから、とにかく早いうちからきちんと書けなきゃいけない。
テストは書けてなんぼなんだから。という考えは非常に危険です。
書くというスキルは、ネイティブにとっても非常に難しいスキルで、子どもも大人もしょっちゅうスペルミスをします。
パソコンで打てばスペルは勝手にチェックしてくれる時代です。
スペリングを重要視しすぎて英語を嫌いにする弊害の方がずっと大きいです。

文法をやたらと意識して早く詰め込みすぎない

スぺリング偏重と同じくらい怖いのは、文法偏重です。
2歳児に「まず主語をいってそれから述語がくるんだよ」などと言いながら日本語を教えるようなもので、
そんなこと考えていたら話せなくなってしまいます。
まず話せるようになる、それからその文には実はこのような文法があるんだということを学ぶ。
この順番を無視した文法詰め込みは、一番大切なコミュニケーション能力の獲得を完全に阻害します。

低年齢で英検を取るのがかっこいい、という考えを捨てる

個人的に英検はいいテストだと思っていますが、小さいうちから英検だけを念頭に置いて英語教室に通わせるのは本当にお勧めしません。
子どもの発達段階を無視した、テストのための英語を覚えさせることになんの意味もありません。
英検は結果であって、目的ではないです。
(目的にするなら小学生高学年以上からでいいです)

早く始めて、早く英語を嫌いにさせたら本末転倒

子どものためを思って小さいうちから英語を習わせたのに、やり方がまずかったら、英語を嫌いにするのを前倒ししただけになってしまいます。
そんな損なことってないですよね。
よーくお子さんの英語学習に向き合ってください。
苦痛になってないかな?逆に楽しいだけになってないかな?おうちでやるべきことをちゃんとやれてるかな?
何のために、何を目標に、英語を習っているのか、いつもお子さんとおうちの方で方向性をチェックしてみましょう。

英語の楽しさを十分味わった子は、英語を学ぶのが苦痛じゃなくなる

小さいうちから英語に親しみ、楽しい経験を十分にしてきた子は、
「英語とは楽しいもの」という考えを持っていますから、
単語帳を手にした時に「こんなに覚えなきゃいけないのか…」ではなく、
「わ、こんな言葉があるんだ、今度使ってみよう」と思うはずです。
難解な英文に出会っても、「これは興味深い内容だなあ」と思いながらワクワクして読むことができます。
そういうマインドを持てるようにしていくことこそ、小さいうちから英語を楽しみながらやっていく一番のメリットなんです。

自分から学ぶことが一番力を伸ばす

英語が好きになった子は、もっと英語の力を伸ばしたいと思います。
英語でいろいろなことを学びたいと思うようになります。海外にも興味を持ちます。
自分の力でいろいろな人と話したいと思います。
そうしたら親が「勉強しなさい」なんて言う必要はまったくないですよね。
強制されてする勉強より、自分が学びたいと思って勉強することの方がずっとずっと自分の力を伸ばしてくれます。
そういう人に育ってくれたら、親御さんとしては一番うれしいのではないでしょうか。
英語に限らず、「子育てのゴールは?」と聞かれたら「自立した大人になること」と答える方も多いはず。
ゴールをはっきりさせずに進んでいては、右往左往してしまってちょっと不安ですよね。
まずはゴールをはっきりさせて、そこに向かっているかをいつも点検しながら、お子さんを見守っていく。
英語教育もそのようにありたいと思っています。

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